フェアアイルセーター(またはフェアアイルニット)をご存知でしょうか?
フェアアイル=Fair Isle. つまり「フェア島」のセーターという意味で、
ならばフェア島とは何ぞや?とくれば、
英国スコットランドの孤島、と答えることになる。
北極圏までもう少し、という北海にポツンと浮かんでいる。
このフェア島、最寄の島は水平線の向こうに見えるか見えないか、といった感じ。
島の大きさは南北6㎞、東西3㎞。人口は80人くらい。
「一時間のうちに四季がある」気象や、
複雑にぶつかる潮流、そして断崖絶壁の海岸線のため、
周辺の海域は船の墓場だった。
スペイン無敵艦隊の軍艦もこの島の近くで沈んだとか。
そんな風土のため、フェア島には木と呼べるものが生えていない。
島の大地を覆うのは、ヒースなど背の低い潅木や草。
草は、羊が食べていくので五分刈りのように短い。
丸裸で、吹きさらしの島だ。
この島で人以外に目に付く生き物といえば、
パフィンやオロロンなどの海鳥やアザラシ、そして羊。
羊は二種類いて、島民が食肉用に飼育している羊がまず一つ。
もう一つがシェトランドシープ、こちらは野生動物として生き、島の原野で死んでいく。
大昔から、風が強くて湿っぽくてクソ寒い冬を生き残ってきたシェトランドシープは、
とても上質な羊毛を身にまとっている。
フェア島の人たちはその羊毛を紡ぎ、セーターを編むことを生業にしてきた。
それがフェアアイルセーター。
このセーター、多色の編みこみ模様がその特徴。
色彩の乏しい北の孤島に暮らす人々が、なぜ色鮮やかなセーターを編めたのか・・・・・フェア島の人の創造力、感性の豊かさが、フェアアイルには編み込まれている。

また、フェアアイルセーターは軽く、暖かい。
なので、黎明期の北極探検家やヒマラヤ登山家は、このフェアアイルセーターを着て冒険に挑んでいた。
フェア島やシェトランド諸島など北海の漁師も、フェアアイルセーターを着て漁をしていた(今もしている)。
そんな歴史から「美しい野外着」と呼ばれたりもする。
私とカミさんがフェア島を訪れたのが10年以上前。
私は取材、カミさんはフェアアイルセーターについて(といっても、編み方など技術的なことよりも、何かこう、それよりもっと大切な何かについて)学んだ。
帰国後、そのときの滞在記を私は「翼の王国」など雑誌に発表し、
カミさんは「ten old」という名でフェアアイルセーターの創作を始め、今も続いている。
機械をいっさい使わない、完全なる手編みで10年以上、300点以上のニット作品を生み出してきた。
身びいきじゃないけど、その手編み技術は神の領域(笑)だと思う。
使う毛糸は、フェア島やシェトランド諸島に暮らすシェトランドシープ100%のものを輸入。
ビームスなど大手アパレルブランドがフェアアイルセーター売っているけれど、
そのほとんど(100%近く)がシェトランドシープの毛糸を使っていない。
あれは正しくは、「フェアアイル柄の」、または「風の」セーターだ。
軽くもないし、たいして暖かくもない。野生の羊らしい素朴な風合いもない(持っている人、ごめんなさいね)。

そんなわけで、冬になると私の出で立ちはフェアアイルばかりになる。
アウトドアマンとして、かつては(ユニクロが世間を席巻するずっと以前だ)フリースが冬の私の定番着だったけど、それはもう戻れない過去。
まあ、フリースのほうが安くて気軽だから、ひどく汚れたり傷めることがあるアウトドアスポーツでは便利。
でも、厳しい自然を生き抜いた羊の毛と、豊かな感性と、熟練の技から生まれるセーターを身にまとうときの、ちょっとした気分は、便利と効率を追求した服では味わえない。
というわけで、手編みでオリジナルなフェアアイルの工房「ten old」の宣伝でした。
フェアアイルセーター(または帽子などのフェアアイルニット)を、クリスマスプレゼントにいかがですか?
ten old (テン・オールド) hp⇒ http://homepage2.nifty.com/tenold/
暖かいよ~by福ちゃん
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