« 秋になって夏休みの旅へ | トップページ | 四国移住 »

2010年10月14日 (木)

サーモンシャーク

シーカヤックを漕いでいて、一度だけサメに追いかけられたことがある。
もう15年も前になる、場所は南東アラスカの多島海「インナーパセージ」。
時は夕暮れ、その夜のキャンプサイトが見つからず、14時間近くぶっ続けでカヤックを漕いでいたときのことだ。
まさにあの映画「ジョーズ」のように、三角の背びれが水面を割りながら近づいてきた。
疲れ果てていたのに、よくあんなスピードで漕げたもんだと、今になってみれば感心する。
あれはまさに火事場のクソ力だった。

「そりゃサーモンシャークだ。このあたりにはサケの漁場だから、そいつを食ってるんだ」
サメから逃げおおせた後、ボートでカヤックを牽引してくれた樵が、目を大きくしながら、ニヤニヤしながら教えてくれた。そしてその夜は樵たちの飯場に泊めてもらえることになった。
フカフカのベット、シャワー、飯が食い放題という、すばらしいもてなしだった。
「サーモンシャークは3mぐらいの大きさだからな、まあ気をつけなよ!」

つい先日、広島県の三次市のワニ料理を取材中、そのサーモンシャークに再会した。
三次ではワニ=サメのこと。
ワニ料理に使われるサメは3種類ぐらいあるらしいけど、一番美味しいのはネズミザメだという。お察しのとおり、これが英語ではサーモンシャーク。
その刺身も寿司も、ワニバーガーもたいへん美味でした。
そして同時に、ちょっと懐かしい、あの切羽詰った気持ちを思い出して、心がくすぐったい。

Pa085395

ところで今、世界の海では、フカヒレにするためにヒレだけを切り取られ、捨てられるサメが多いという。そしてある種のサメは絶滅の危機に瀕している。

そんな時代だからこそ、サメの身を無駄なくいただく三次のワニ料理は、失いたくない食文化だと思いました。

|

« 秋になって夏休みの旅へ | トップページ | 四国移住 »

取材現場から」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 秋になって夏休みの旅へ | トップページ | 四国移住 »