アウトドアエッセイ

2007年11月13日 (火)

JRCAフリースタイルカヤック大会

11日は友人からの依頼で、フリースタイルカヤックの大会を撮影。
会場は、カヤッカーにおなじみ、高知県本山町のジゲアドウェーブ。

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参加した皆さん、運営のみなさん、お疲れ様でした。いい写真が撮れました!

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2007年11月10日 (土)

ここにも日本最後の清流が

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二日前、秋の吉野川中流を散策しました。
透明度は、調子のいいときの四万十川かそれ以上。
そして、ここ最近は雨が少ないのに、カヤックやラフトで川を下れるだけの水量もある。
カヌーイストたちやアウトドアメディア、四国の観光関係者に、この川がもっと注目されてもいいような、でも、されないほうがいいような・・・・
美しい風景を独り占めしながら、そんなことを考えた秋の一日でした。

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2007年10月24日 (水)

日本百名山を無視して

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 前日に、上の写真のような彩雲がでたので天気が心配でしたが、よい秋の登山が出来ました。

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 行き先は日本百名山の一つ剣山(上の写真奥のピーク)、ではなく別の山。この「別の山」のほうがよっぽど雰囲気も風景も、歩く道も味わい深いのに、何で人は剣山に殺到するのか。以前、旅行誌の編集部から「四万十川の取材をして」と依頼されたとき、「清流を紹介するならもっとほかにいい所があるけど」と編集者に訊いてみたことがある。すると、「四万十川は日本最後の清流で有名だから、読者も興味を持つ」と言われた。日本人のブランド信仰はどこまで深いのだろうね。

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 冷気と共に天から降りてきた紅葉は、麓へと染み渡っていきます。

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 6時間山歩きした福ちゃんは、家に帰ると撃沈しました。

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2007年5月24日 (木)

五月の吉野川+知事

 先週は原稿書きと取材に追われた。それでも半日を搾り出して吉野川でカヤッキング。大歩危小歩危の上流、仲間内では「穴内合流から豊永」と呼んでいるコースを下る。
 大歩危より流れはずっと優しい。腕に憶えがないカヤッカーのシーズン初ダウンリバーには向いている。けれども区間終りの瀞場漕ぎは、かなりサディスティックだ。

 五月の吉野川は、無理に時間を作って川下りする価値がある。空気はからっと透明で、川面では心地よい日差し。鮎釣り師はいない。ダムからの放水はなく、支流の水を集めた流れは澄んでいる。
 仰げば、濃淡さまざまな緑に覆われた山々。祭りのように華やかだ。そして数日のうちに木々は装いを変えていく。一期一会。川下りはいつだってそうなのだが、この季節の川面に浮かぶと、それを強く感じる。

 とはいえ流れにパワーはなく、浅い。岩を避けながらの、少し神経質なダウンリバーになる。しかし低水位ゆえに出現したホールやウエーブがあって、それなりに楽しい。水位が高くても低くても、そして初心者でも上級者でも、大歩危小歩危峡及びその前後の区間(約50㎞)では、どこかで、一日を満たしてくれる急流下りができる。これだけ懐の広い川は、少なくとも日本国内では見られない。

 そんな吉野川中流域の価値にようやく気づいたのか否か、5月19日、高知県知事とその御一行が大歩危のラフティングにやって来た。私はラッキーラフトの依頼で、彼らの急流下りを撮影。あいにくバタバタと忙しく―それに知事達に紹介もされず(涙)―、橋本知事とは直接話せなかった。でも本当は『2007モンベルカヌーカタログ』の表紙を見せて、吉野川の素晴らしさを説明したかった。
「この表紙、どこの川だと思いますか?知事が今日下った峡谷なんですよ。どうですこの透明度!四万十川なんて目じゃないでしょう。
 異常な豪雨や渇水になると、この上流の早明浦ダムは泥の湖になり、濁った水を放水します。それがなければ、そして支流の護岸工事が濁り水を流さなければ、吉野川もこれくらいの透明度になるのです。
 高知空港からのアクセスがいいので、早朝に羽田空港を飛び立てば、吉野川の大自然をラフティングで満喫する日帰り旅行も可能です。観光資源としての吉野川ラフティング&カヌーのポテンシャルは、侮れないのではないでしょうか」
 ということを言いたかった・・・・。

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 ところで、渇水です。いつものようにメディアは〈さも川が干上がるイメージ〉を連発しております。吉野川のラフティング会社にとって、これはちょっと迷惑な話。メディアは「節水しましょう」とだけ言っていればいいのですが。
 さて、同じく渇水でメディアが騒いだ一昨年のことを書きます。早明浦ダムの貯水率はどんどん低下し、最後は発電用の水を飲料水にしていました。
 しかしそんなときでも、早明浦ダムの下流、大歩危小歩危峡には、ラフトやカヤックで激流下りするのに充分な水量があった。春先の渇水よりも多いくらい。なぜか?渇水だろうがなんだろうが、下流の徳島に一定量の水を放水するという取り決めがあるのです。例えば、上流から早明浦ダムへ流入量が毎秒8トンだとしても、早明浦ダムからは必ず毎秒40トン放流しなさい、というような取り決めです。
 おかげで(?)渇水でも早明浦ダム~大歩危小歩危~池田ダム間ではラフティングやカヤックが楽しめました。とはいえ、ダムの水が底をつき始めると、濁って冷たい『底水』が川に放流されてしまいました。『清流』吉野川を楽しみに来た人には、ちょっと気の毒でありました。
 だから、早明浦ダムの流入量に応じて放水量を遠慮するなど、下流域の人々がダムに頼り過ぎない暮らしをすることが必要なのでしょう。そうすれば、ダムは枯れにくい、吉野川も濁らないしそこそこの水量もあるから川下りも楽しい。そんな、自然も人間も満足する結果になると思うのですが。

 気晴らしに、近所の渚でカヤック漕ぎ。5月だけど、遠浅の海はすでに泳げるくらい温かい。渇水で川からの水が少なく、有機物の供給があまりないので、海は澄んでいた。
 海の底には洗濯板のような波模様が。どうしてそんな造形になるのか、いつも不思議だ。

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2007年5月13日 (日)

ソロ~一人旅

 某旅行雑誌の仕事で、京阪神から山陰、中国地方を鉄道旅。鈍行列車だけに乗って、その旅を記事にするというもの。今回は写真も文も担当したので、気ままな一人旅でした。とはいえ、「あそことここを何時に取材して撮影して」と当然ながら縛られるのですが・・・・。
 それでも、温泉場で仲良くなったおばあさんが、「これでコーヒーでも飲みなさい」と500円玉を私のポケットにねじ込むなど、愉快なこともありました。これも一人旅だからこそなのでしょう。どうやら、普通の取材旅行ではない記事が書けそうです。

 帰宅すると、『ビーパル』6月号が届いていました。何か記事を書いた、というのだったら良かったのですが・・・・この日本に唯一残ったアウトドア誌、なかなか敷居が高いようです。
 約1ヶ月前、『川ガキ』の写真などで活躍しているフォトグラファー(本人曰くフォトエコロジスト)村山嘉昭さん(http://www.river-stones.com/)から電話がありました。
「ビーパルの編集者が、特集記事に必要なアンケートに応えてくれる人を探してるけど、紹介していい?」
 で、快諾したところ後日アンケート用紙がメールされてきました。
「ソロキャンプの特集を企画しています。ついては、とっておきのフィールドや、ソロキャンプのスタイルなどを教えて下さい」というのがその内容。ホイホイとアンケートに答えつつ、しかし「とっておきのフィールド」についてはなんとなくオブラートに包みながら(だって、他の人たちが押しかけたらソロキャンプできないじゃん)、ソロキャンプかあ~と思い出にふけるのでありました。
 ソロキャンプ、単独行、ドイツ語かぶれだった60年代の山屋だとアラインゲンガーなどと呼んだりしますが、とにかく「一人ぼっちでアウトドア」であります。

 かつて、二十代前半~後半までの私は、そんな変人の一人でした。ヒマラヤ登山、二ヶ月間のユーコン川下り、二ヶ月間の南東アラスカ・シーカヤック航海などなど、とにかく何をするにも一人でした。理由は単純、一緒に行く人がいないから。
 当時はカヤック人口が少なかったし、ユーコンやアラスカでの冒険旅行もメジャーではなかった。今では、野田知佑さんや星野道夫さんの影響でしょうか、訪れる人は増えているようですが。で、私と同じくらいカヤックを漕げて、野外生活にも慣れていて、会社を辞めるまたは長期休暇をとってまで「そこに行きたい」と熱望する人を見つけるのは、とても厄介でした。特に地方都市では。そんなことに時間を取られるくらいなら、さっさと一人で行くほうがましだった。

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南東アラスカ・沿岸水路単独航海(1993夏)

 というわけで冒険一人旅については語れます。
 まずそれは「危ない」。とくにアラスカの原野など、人が極端に少ないところでは。助けてくれる人がいないのですから。
 だから、「いま何ができて何ができないか」とシビアに自問するのが常になり、「選択」することが日常になる。言葉を変えれば、「自分をコントロールする快感」というやつがそこにあるわけです。もちろんこの感覚は、ロッククライミングや激流カヤッキングでも味わえます。しかし、冒険一人旅ほど深くはない。そしてその深さゆえに、たくさんの冒険家が首を突っ込みすぎ、帰らぬ人になっています。

 さて、ビーパル6月号特集「たまにはソロキャンプしませんか」のなかの25p、「ソロキャンプの常連さんに23人に聞きました~」というコーナーに私の写真とコメントが小さく掲載されました。
 なのですが、ここ数年は「ソロキャンプの常連さん」というわけではないのですよ、正直なところ。その理由はこれまた簡単、まず、一緒に行く友人が増えたから。そして四国に移り住んだことでアウトドアフィールドがとても近所になり、しかもフィールド(つまりド田舎)で暮す友人宅に泊まる、ということが増えたからです。
 人によってはこれを「枯れた」とか「おとなしくなった」と言うのかもしれませんが、私にしたら「No!」であります。
 なぜなら、私の場合は「一人でもやる」だったから。決して、「一人じゃないといや」ではなかった。そして、「一人でもやる」については、昔より過激になっているかもしれない。フリーランスのライター&フォトグラファーをしていることは、その際たるものでしょう。

「一人でもやる」を選んできた私は、「一人じゃないといや」の人と同じように、何年間か孤独でした。しかしその後変わった。「一人でもやる」人、またはそれに近い人たちと出会い、友人になっていきました。私の妻もその一人です。今ではキャンプする時はたいてい妻と愛犬が一緒だし、激流カヤックをする時は、サポートしてくれる友人カヤッカーがいます。「一人でもやる」を貫くのも、なかなか悪くありません。そういえば、野田知佑さんにしても最初は一人でカヤックツーリングしていたし、星野道夫さんは単身アラスカの原野に入って野生動物を撮影していましたよね。

 鉄道旅取材の翌日、その写真を現像するため、高松市のプロラボへ。私の暮らす観音寺市から約1時間半のドライブです。
 現像の待ち時間を利用して、最近オープンしたショッピングモールに入ってみました。そこにはモンベルの直営店があり、若い友人の一人・ヨーシンが働いているのです。
「荘内半島のほうへ、今度下見に行こうと思っているんですけど、どうですかね」とヨーシンは訊いてきました。アウトドアショップのイベントとして、シーカヤックツアーか講習会を開きたいらしい。
「キングピンで行こうと思って」
 リバーカヤックをやる人はご存知かと思いますが、「キングピン」とは激流下り用カヤックの名前で、全長2m未満。激流用というだけあって、やたら回転性がよく、海で真っ直ぐ進むにはまったく話にならないカヤックです。時と場合によっては危ない舟でしょう。彼はもともと激流の人で、今はそれしかカヤックを持っていない。
 それでも彼は、「一人でもやる」
「うちにある二人乗りシーカヤックが今修理中だから、それが完了したら一緒に行こう」私は彼にそう言いました。「一人でもやる」人間が手を組めば外洋航海でさえ可能になるし、楽しめる、カヤックとはそういう小さな船なのだから。

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